子どもの権利条約って何?【誕生から30年を解説します】

子どもの権利条約」という言葉を聞いたことはありますか?

 

1989年11月20日、「子どもの権利条約」が誕生しました。
おおよそ30年前(2020年時点)の出来事です。

子どもの権利条約は、18歳未満を子どもと位置付け、世界のすべての子どもたちに、
自らが権利を持つ主体であることを約束しています。

「子どもの権利条約」は、国際連合の加盟国数を上回る196の国と地域で締結され(2019年現在)、
世界で最も広く受け入れられている人権条約です。

しかしながら、「子どもの権利条約」を締約しただけでは、
子どもの権利が守られる訳ではありません。

日本でも年間16万件を超える虐待相談があり、亡くなる子どもがいます。

すべての子どもたちは、大人と同じように権利を持っています。

今回は、「子どもの権利条約」を、わかりやすく解説していきます。

用語解説
  • 条約(じょうやく):国際的な約束のことを言います。
  • 批准(ひじゅん):条約をみとめて実行します、という国の最終の確認、同意のてつづき。
  • 日本では国会での承認手続きは必要となります。
  • 発効(はっこう): 条約が効力をもつこと。発効の日から条約の内容を守らなければなりません。

 「子どもの権利条約」って何が書かれているの?

正式名称は、「児童の権利に関する条約」と言います。

世界中のすべての子どもたちがもっている“権利”について定めた条約です。
つらい仕事で1日が終わる、戦争に巻きこまれる、防げる病気で命を失うなど、
世界には厳しい生活をしている子どもたちがいます。

「子どもの権利条約」は、そのような子どもたちをはじめ、
世界中の子どもたちを守るためのものです。

 

1989年に国連総会で採択され、1990年に発効した国際条約で、
2019年現在で、196の国と地域が締約しています。

歴史上、もっとも多くの国と地域が参加しています。
日本は1994年4月22日に批准し、1994年5月22日に発効しました。

4つの原則

「子どもの権利条約」は、子ども(18歳未満)を、「権利をもつ主体」と位置づけ、
大人と同じく、ひとりの人間として持っている権利を認めています。
そして、次の4つの原則があります。

命を守られ成長できること

すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、
医療、教育、生活への支援を受けることが保障されます。

子どもにとって最もよいこと

すべての子どもに対して、なにかを行う時には、「その子どもにとって最もよいこと」を第一に考えます。

意見を表明し参加できること

すべての子どもは、自分に関係のあることに対し自分自身の思いを、自由に意見することができ
大人はその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します。

差別のないこと

すべての子どもは、子ども自身や親の人種、性別、意見、障害、経済状況など
どんな理由でも差別されず、すべての権利が保障されます。

この4つが条約の原則です。
「当然」「当たり前」と感じる方も多いかと思いますが、この原則が守られていない現実が実際にはあります。

 

生まれた時からすべての子どもにある権利

この条約は大きくわけて、次の4つの子どもの権利を守るように定めています。
そして、子どもにとって一番良いことを考え、実現しようと言っています。

生きる権利

すべての子どもの命が守られること

 育つ権利

もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、
医療や教育、生活への支援などを受け、友達と遊んだりすること

守られる権利

暴力や搾取、有害な労働などから守られること

 参加する権利

自由に意見を表したり、団体を作ったりできること

 

すべて大切な権利であり、子どもだからと言って奪ってよい権利は一つもありません。

 

批准後の日本の様子

日本国内では、1994年、日本政府が「子どもの権利条約」を批准してから、
いろいろなところで、「子どもの権利」を守ろうという動きや施策が示されています。

「条約」を参考にしながら、各自治体では独自に「条例」をつくることで、
それぞれの地域に合ったかたちで、浸透させようとしています。

国連では現行の「子どもの権利条約」を見直し、
2000年5月にふたつの選択議定書が、そして2011年12月に3つめの選択議定書が採択されました。

1.武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書

第38条では、15歳にならない子どもを兵士にしてはならない、と定めていますが、
この選択議定書では兵士としてよい年齢を15歳から18歳に引き上げています。

 

2.子どもの売買、子どもの買春および子どものポルノグラフィーに関する選択議定書

第11条、第21条、第32条、第33条、第34条、第35条、第36条で定められている子どもの権利を守るために、特に子どもの売り買いや子どもを性的に搾取する買春やポルノグラフィーを禁止し、
違反した人への取りしまりを各国内で強化すること、とされています。

 

3.通報手続に関する選択議定書(日本ユニセフ協会訳)

 

用語解説
選択議定書(せんたくぎていしょ):条約を実施する中で、もっと強めたり、おぎなったりした方がよいと思われた部分を定めた文書。

 

まとめ

「条約」を批准してから2年以内、その後は5年ごとに、
各国は、国連の「子どもの権利委員会」に対して、
国内の子どもの権利を守る取り組みについて、報告書を出さなければなりません。

「子どもの権利条約」に批准したことで、日本にも少しずつよい影響が生まれている一方、
国連の子どもの権利委員会からは、日本政府が2017年に提出した最新の報告書に対し、
緊急に対応すべき課題として、以下の指摘がありました。(2019年2月)

1. 差別の禁止
2. 児童の意見の尊重
3. 体罰
4. 家庭環境を奪われた児童
5. 生殖に関する健康及び精神的健康
6. 並びに少年司法

 

引用:国際連合 CRC/C/JPN/CO/4-5 (仮訳) 配布:一般 2019年3月5日 原文:英語 児童の権利委員会 日本の第4回・第5回政府報告に関する総括所見*

差別など一部の内容は、初回の勧告から引き続き指摘されていることであり、
日本として「条約」に書かれていること、
国連の子どもの権利委員会からの指摘事項を改善できていない状況であります。

早急に対応が図られ、すべての子どものあらゆる権利が奪われない国となるよう、
福祉に携わる者として発信し続けていきたいと思います。

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