【2024年版】成長痛とはもう言わない!?育成年代のスポーツ障害を知ろう

こんにちは。Yosshyです。

実は、Jリーグ開幕と同時に、地元のサッカークラブに入団し、サッカー大好きな小僧でありました。
大人になり、息子がサッカーを始めてくれたこともあり、日本サッカー協会のC級コーチライセンスを取得しました。

時代とともにサッカーも変わっていることを実感しております。

本記事では、コーチライセンスを取得した際に学んだ内容について、ご紹介します。

 

 「成長痛」はバツ(✖) /「成長期のスポーツ障害」がマル(〇)

 「成長痛」ってご存知でしょうか。

成長期のスポーツをしている子どもが、膝やかかとが痛くなったりする症状のことを「成長痛」と言います。

Yosshyも小学生の頃に「成長痛」と診断され、整骨院通いをしていました。

特に、サッカー少年に多く見られます。

 

あれ?でも

日本サッカー協会では、「成長痛」とは言わず、「成長期のスポーツ障害」と言っています。

 

それはなぜか?!

「成長痛」の言葉がもつイメージに関係しています。

 

子ども達の膝やかかとの痛みを「成長痛」と言うと、

 「あぁー、サッカーを行っている成長期の小学生だと、痛みあるよねー」

 「仕方ないよ!成長してる証拠!」

など、これまでの対応が慣例となり、さほど問題視されません。

このような対応は非常に危険です。

 

そうではなく、子ども達の膝やかかとの痛みを「成長期のスポーツ障害」と考え、

まずは、痛みが出ないように「予防」をし、

それでも、痛みが出てしまったら、「障害」「怪我」として捉え、

しっかりと「安静」にし、「治療」していくことが、

成長期の子ども達の身体を守るうえでも重要と、JFAでは考えています。

 

サッカー、スポーツをされていた方、サッカーをしているお子さんもお持ちの親御さんは、

「オスグッド」「オスグッド病」は、聞き覚えがあるかと思います

 

正式名称は、オスグッド・シュラッター病(オスグッド病)

 

 

オスグッド病とは

 膝を伸ばす動作をするとき、太もも前側の筋(大腿四頭筋/だいたいしとうきん)を縮めると、膝の皿の骨の下の脛の上の部分(脛骨粗面)に付着している腱(膝蓋腱/しつがいけん)を引っ張り、膝が伸ばされます。

成長期では、この腱が付着している部位は、まだ成長過程のため、骨になり切っていない軟骨です。

骨より柔らかい軟骨は、腱による引っ張りの刺激によって炎症が生じてしまいます。

これは軟骨で柔らかいため、ある一定以上の負荷が連続してかかると、理論的には必ず炎症が生じることとなります。

 

この炎症が痛みの原因です。

しかしながら、この痛みは、年齢が上がれば、軟骨が骨に近づき、炎症が生じにくくなります。

また、軟骨部の引っ張りの負荷が連続して行われなかったり、

他の筋の助けで同じ動作でも引っ張りの刺激が軽減したりすれば、

オスグッド病の発症リスクは軽減されます。

 

 

オスグッド病はどんな痛みか?!

膝の皿の下の骨が痛くなるスポーツ障害であり、痛みを我慢してサッカーを続けていると、

痛みがとれにくくなり、痛みがある部位の骨が突出してきます。

オスグッド病の怖いところは、痛みがあってもトレーニングを続けることができてしまうことです。

(膝の皿の下にある)脛の骨が突出してもプロ選手になるのを妨げるような後遺症が、ほとんど残ることはありません。

そうした情報もあり、小学生のサッカー選手によく生じる「仕方がない痛み」だと考える人が多いです。

さらに、成長期(身長の伸びが止まる15~16歳)を過ぎると、自然と痛みが消えてなくなります。

また、オスグッド病は医学的には大きな問題になりにくい病気と言われています。

 

オスグッド病による膝の痛みは大問題

オスグッド病は医学的には問題になりにくいようですが、

成長期の子どもたちにとっては、大きな問題です。

 

12歳(ゴールデンエイジ世代)までに、サッカーの十分な基本的技術を身につけることが、

重要と言われています。

しかし、オスグッド病により膝の痛みを庇いながらサッカーを行っていては、

十分な基本的な技術を身につけることは難しいと思います。

育成年代のサッカー選手は、痛みを抱えながら練習をすべきではありません。

無理して練習をするのではなく、しっかりと痛みをとってから、

再び全力で練習に取り組むことが大切です。

オスグッド病の痛みを早くとることは、医学的に大きな意味を持たなくても、

選手育成には非常に大きな意味を持ちます。

 

子どもにとって大好きなサッカーを「休む」ことは簡単なことではないと思います。

ですが、これからのサッカー人生を考え、無理をしないように、周りの大人がしっかりとサポートしていくことが大切だと思います。

 

 

オスグッド病になりそう・なってしまった

オスグッド病の痛みが生じたら、すぐにトレーニングを別メニューとし、

膝にかかる負荷を減らすことや、

FIFA 11+(JFA公式Webサイトのメディカルページ参照)などの

怪我の予防のためのプログラムを同時に行うことが重要です。

FIFA11+

FIFA11+とは国際サッカー連盟医学委員会参加のFIFA Medeical Assessment and Research
Centre(F-MARC)が作成した外傷・障害予防のウォーミングアッププログラムです。

 

 

膝に負担のかかる動きと、比較的かからない動きを紹介します。

 

膝に負担のかかる動き

  • トップスピードから急に正面を向いて停止する動作
  • トップスピードからのストップ動作
  • ボールを蹴るときのストップ動作
  • 走りながらジャンプして着地する動作

 

一方、あまり負担がかからない動き

  • ゆっくりの助走からのキック
  • ゆっくりの助走からのダッシュ
  • スクワットや体幹トレーニング

 

余談ですが、レアル・マドリードの下部組織で活躍中の、ピピ君こと、中井卓大選手は小学3年生の頃より、体幹トレーニングを続けており、15歳で身長180cmと急激な身体の成長をしていますが、大きな怪我をしたことがないと言います。

自分自身の身体とも向き合い、体幹やバランスを知り、怪我をしない身体づくりをすることが、キャリアを考えていくうえで何よりも大切ですね。

とはいえ、オスグッド病になりそうなときには、トレーニングを別メニューにし、

膝への負担を軽減しましょう。

また、強い疼痛が出てしまったときには、早急に病院を受診し、治療を受けることが重要です。

 

 

まとめ

選手の将来を考えると、成長期のスポーツ障害では、痛みを持ちながらトレーニングを継続することはメリットがあるとは言えません。

大人は、少しでも選手が楽しくサッカーができるようなサポートが必要です。

 

2 COMMENTS

鈴木伸洋

読ませていただきました!スポーツ指導に携わる者として、みんなで共有して行かなければですね (自分のところは強化ジュニアはやっていないので、子どもたちとの会話の中で聞く程度ですが)

返信する
Yosshy-Writer

コメントありがとうございます。嬉しいです。
「育成年代においては、「無理をしても」の「無理」は禁物ですよね。
成長のスピードは、一人ひとり異なりますので、
子どもたちと会話をしていく鈴木さんのやり方は素晴らしいと思います。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です