児童養護施設って何?福祉事務職がわかりやすく解説します

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・児童養護施設ってどんなところだろう?
・子どもたちはどんな生活をしているのかな?
・どんな職員が働いているの?

Yosshy

本記事では、児童養護施設について解説していきます。

 

2014年1月に放送された児童養護施設を舞台にした芦田愛菜さん主演ドラマ「明日、ママがいない」。

知っている方も多いのではないでしょうか。

児童福祉法に定められている児童養護施設ですが、実際に施設で暮らす子どもたちがどのような生活をしているのか、どのような職種の職員が働いているかは、

あまり知られていないのではないでしょうか。

そこで、本記事では児童養護施設の基本的なことについて、わかりやすく解説します。

 

こんな方におすすめ
・児童福祉分野に関心のある方

・子どもと関わりたい方

 

本記事を読むことで、以下のことを知ることができます。

  1. そもそも児童養護施設とはどんな施設か。
  2. 児童養護施設で生活する子どもたちの様子
  3. 児童養護施設で働く職員

 

児童養護施設ってどんなところ

 

児童養護施設とは、経済的な理由や虐待などさまざまな理由で保護者と生活することが難しい児童が入所する施設です。

社会全体で養護・養育していく「社会的養護」、近年では「社会的養育」という言葉が使われている分野です。

児童福祉法では、以下のように定められています。

 (児童養護施設)

第四十一条 児童養護施設は、保護者のない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含む。以下この条において同じ。)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設とする。

 

以前は、孤児院と呼ばれていましたが、現在は親がいない孤児の割合は少ないため、孤児院という名称は使われていません。

 

Yosshy

児童養護施設は、法律で定められた施設なんだね

 

児童養護施設の4つのかたち

 児童養護施設には、規模や形態により「大舎制」、「中舎制」、「小舎制」、「グループホーム」の4つに分かれています。

 

建物の大きさにより、大・中・小と分かれているのかな??

 

Yosshy

建物の大きさにより、大・中・小と分かれているのかな??

 

大舎制

1舎(1つの建物)に20人以上の児童が生活をする施設です。

男女別・年齢別に児童の部屋があり、1部屋につき5〜8人が生活しています。

1つの大きな建物のなかには、リビングや食堂、洗面スペースといった必要な設備があります。

スケールメリットがある一方で、一人ひとりのプライバシーの確保が難しく、家庭的な空間・関係を築くのが難しいことがデメリットです。

 

中舎制

1舎に13〜19人の児童が生活をする施設です。

大きな建物のなかをいくつかに区切り、小さな生活空間に必要な設備が配置されています。

 

小舎制

1舎に12人までの児童が生活をする施設です。

大きな建物の中をいくつかに区切って小規模な生活空間を作っている場合と、敷地内にいくつかの独立した建物がある場合があります。

いずれも小舎制といわれ、ユニットケアや小規模グループケアも含まれます。

独立した空間が多く、それぞれの建物に職員を配置するため、職員を確保することが難しい反面、大舎や中舎に比べ、家庭により近い環境で養育することが出来ます。

 

ユニットケア(小規模グループケア)
2004年に制度化された、原則として定員6人の施設です。
小舎制のなかに含まれますが、より家庭に近い環境で、職員との個別的な関係の構築を重視しています。
より細やかなケアを行うことを目的としており、マンションや団地のような場所です。

 

グループホーム(地域小規模児童養護施設)

2000年から制度化された、原則として定員6人の施設です。

本体の児童養護施設からは離れ、地域のなかの建物を使用して生活をします。

より家庭に近い環境でケアを行い、自立した生活力を高めるサポートを行っています。

 

施設運営にかかる資金ってどこから出るの?

児童養護施設は、児童入所施設措置費等国庫負担金という税金で運営されています。

施設の定員規模や、働いている職員の経験年数や資格の有無などによって、施設ごとに入ってくる金額が変わってきます。

施設に入ってきたお金を使用し、児童の養育にかかる費用や職員の給与などを支払っています。

 

児童養護施設では、どのような子どもが対象?

 乳児(満1歳に満たない子)を除く、原則18歳まで(必要に応じて20歳まで)の保護者による養育が難しい子どもが対象です。

特に必要があると判断された場合は乳児も対象となります。

基本的に2歳未満の乳幼児は、児童福祉施設の1つである「乳児院」を利用します。

ですので、基本的に児童養護施設に入る子どもは2歳から18歳と覚えておくと良いでしょう。

 

どのような理由で入所するの?

 

児童養護施設に入所する理由は、いろいろとあります。

 父母の病気、家庭の経済的な理由、保護者からの虐待など、保護者による養育が難しい場合です。

厚生労働省の調査では、 児童養護施設で生活する27,000人の子どもたちは、

  • 虐待を受けた子ども:65.6%
  • 何らかの障害のある子ども:36.7%

と、近年虐待を受けたこどもや障害のある子どもの入所が多くなっている傾向が見えます。

入所する子どもの平均在籍期間は5年2か月です。

一方で、10年以上の在籍期間の子どもが13.5%いるという状況です。

 

子どもの虐待を知る

 

児童養護施設の入るプロセス・流れ

子どもを育てることが難しいと感じられた場合、下記に相談してみましょう。

子どもがサポートを必要としている状態だと判断された場合、児童相談所の職員が入所までの手続きを行います。

一方、保護者からの虐待により、児童相談所が緊急一時保護した後、児童養護施設に入所する場合もあります。

費用はかかるの?

児童養護施設の入所に伴う費用は、保護者の前年度の所得に応じて決定します。

この金額は、各自治体(都道府県・市町村)が決定し、おおよそ0円~約15万円の範囲です。

 

児童養護施設で働く職員は?

 児童養護施設で働いている職員は、以下のとおり法律で決められています。

    • 施設長
    • 児童指導員
    • 保育士
    • 個別対応職員
    • 家庭支援専門相談員
    • 栄養士および調理員等
    • 嘱託医の配置

 

MEMO
乳児(0~1歳)が入所している場合は、加えて看護師の配置が必要です。

また、子どもの心を支援するために、心理療法担当職員がいる施設も多くあります。

 

職種別の主な役割

    • 児童指導員・保育士:子どもが健やかに成長できるよう、日常生活や自立に向けた支援を行います。
    • 嘱託医・看護師:子どもの健康を医療の面からサポートします。
    • 家庭支援専門相談員:家族との環境調整や親の相談を行います。
    • 栄養士・調理員等:子どもへの食事提供を支援します。

※栄養士・調理員等については条件によっては施設にいない場合もあります。

どんな支援をしてる?

入所した子どものなかには、児童養護施設で長い間、暮らす子も少なくありません。

子どもは児童養護施設から学校へ通い、地域で生活をしています。

職員は、保護者に代わって生活の支援や自立に向けたサポートをしています。

四季折々の行事や、独自の余暇プログラムなどを行っているところもあります。

 

入所した子どもに会うことはできる?

保護者と子どもは、基本的には面会交流ができます。

ただし、子どもが入所した理由や状況によっては、保護者に会うべきではないと児童損談所に判断される場合があります。

その場合は、子どもの命と人権を第一に考え、面会することができません。

 

児童養護施設を退所する

子どもの退所には、家庭に戻る場合と里親さんのもとで生活する場合があります。

また、高校を卒業して自立し、一人暮らしを始める子も大勢います。

なお、入所した子どもが家庭の元に戻る場合は、保護者の生活や養育環境の状況を確認した後、保護者・児童相談所・施設等で話し合って決めます。

 

退所した児童にどのようなサポート体制があるのか

児童養護施設は、原則高校を卒業すると社会的自立を目指すことになります。

一方、18歳になった後も自立に向けてサポートが必要な場合もあります。

そのような児童に対して、色々なサポート制度があり、ここでは3つご紹介します。

①児童養護施設で過ごす期間の延長

児童養護施設で過ごせる対象年齢は、原則18歳です。

しかし、引き続き必要と判断された場合、22歳の年度末まで支援を継続することができます。

 

②自立援助ホーム

義務教育修了後、児童養護施設等を退所し就職する児童等に対し、自立を図るため相談その他の日常生活上の援助及び生活指導を行う事業です。

対象となる児童は、義務教育終了後の15歳~20歳までです。必要に応じて22歳の年度末までの間、延長されることもあります。

 

③身元保証人確保対策支援事業

身元保証人がいなく、アパートの賃貸や就職ができない場合、施設の施設長等が身元保証人となる制度です。

保証人となった施設長等がなんらかの損害を被った時に、国と都道府県等が賠償額の一定額を支払うことも本制度の特徴の1つです。

このようなサポートによって、施設長等が保証人になった場合の負担が減り、保証人を引き受けやすくなります。

 

おわりに〜児童養護施設のこれから

子どもの権利条約を批准した日本においては、できるだけ一般家庭に近いような環境を提供するために小規模化やグループホームのような地域分散化を推進しています。

施設の小規模化が進むことで、子ども一人ひとりと向き合える時間が増えます。

また、虐待を受けた子どもや障害のある子どもの増加に伴い、より専門性の高い個別の関わりが求められています。

様々な事情で子どもを養育するのが困難になってしまう場合もあるでしょう。

残念ながら、虐待の通告件数も年々増加し、直近では16万件を超えています。

子どもにとっても、保護者にとっても健全な状態であるとは言えません。

子どもを守り、居場所となり得る1つの手段が児童養護施設です。

一人で抱え込み、一人で何とかしようとするのではなく、誰かを頼ることも状況を改善する1つの手段です。

新型コロナウイルス感染症により、子どもと多く関わる時間が多くなっています。

ちょっと子どもと関わることがツラくなりましたら、早めに近くにある児童相談所や児童養護施設と繋がるようにしましょう。

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