【2022年】夏だけではない。水分補給だけでは危険。熱中症の正しい対処方法を紹介します

暑い日の中でのサッカー。

 

「熱中症は心配だけど、水分補給はこまめに行っているから大丈夫!」っと思っている方は、多いのではないでしょうか。

実は、水分補給だけでは、選手が熱中症になり、病院に搬送されてしまうかもしれません。

 

本記事では、熱中症の予防と対処方法について、ご紹介します。

 

総務省消防庁の調査によれば、昨年4月29日から10月6日までの期間で、熱中症による救急搬送された人数は、71,452人でありました。
お亡くなりになられた方は100人を超えています。
近年は、異常気象とも言われ、ゴールデンウィークから熱中症の危険があります。

 

少年サッカーでは、個人差はありますが、40分の試合を終えると、だいたい体重の2%〜3%の水分が失われるといわれています。
ハーフタイムを含め、ボールがピッチ外に出た時には水分補給をしていますが、
それでもこれだけ水分を失うハードなスポーツです。

 

脱水すると持久力が急激に落ちるため、脱水対策はパフォーマンス維持のためにも非常に重要であり、暑い日に行う場合は、脱水症が熱中症につながっていく可能性が大きいため、日本サッカー協会では、熱中症対策に注力しています。

 

熱中症とは

熱中症とは、暑さによって生じる障害の総称で、熱失神熱けいれん熱疲労熱射病などの病型があります。
運動をすると大量の熱がでる一方で、体温のバランスを保とうとして、体表面から熱を外に出そうとします(熱放散)が、暑いと熱放散の効率は悪くなります。
このような状況で生理機能の調節や体温調節が破綻して熱中症は起こります。
スポーツ中は特に、熱疲労と熱射病が多い症状となります。

熱失神

炎天下に、じっと立っていたり、立ち上がったりした時、運動後などに起こります。
血圧が低下、脳血流が減少して起こるもので、めまいや失神(一過性の意識消失)などの症状があります。
足を高くして寝かせると通常はすぐに回復します。

熱けいれん

汗には、塩分も含まれています。大量に汗をかき、水だけ(あるいは塩分の少ない水)を補給して血液中の塩分濃度が低下したときに起こるもので、痛みをともなう筋けいれんがあります。
脚だけではなく、腕や腹筋などにも起こります。
濃い目の食塩水の補給や点滴により通常は回復します。

熱疲労

汗をかくことによる脱水と皮膚血管の拡張による循環不全の状態であり、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などの症状があります。
スポーツドリンクなどで水分と塩分を補給することにより通常は回復します。
嘔吐などにより水が飲めない場合には、点滴などの医療処置が必要です。

熱射病

過度に体温が上昇(40°C以上)して、脳機能に異常をきたした状態です。
体温調節も働かなくなります。
意識障害がみられ、応答が鈍い、言動がおかしいといった状態から進行すると昏睡状態になります。
高体温が持続すると脳だけでなく、肝臓、腎臓、肺、心臓などの多臓器障害を併発し、死亡率が高くなります 。
非常に危険な状態であり、救命できるかはいかに早く体温を下げられるかにかかっており、救急車を要請し、速やかに冷却処置を開始することが重要です。

水を飲んでも体温が下がらない

熱中症になることを防ぐため、水分補給をしているが、体温が下がらない状態があります。
それはなぜか。
人間は体を冷やす機能を持っていますが、その機能がうまく働かないときがあります。
実は、気温に加え、湿度が高い時に汗の蒸発が起こりにくく、うまく体を冷やす機能が働きにくくなり、水を十分に飲んで、たくさんの汗をかいても体温が上昇してしまいます。
つまり湿度が高いと、水分補給だけでは熱中症予防に不十分ということになります。
それでは、湿度が高く、汗が蒸発しにくい日をどのように知ればいいのでしょうか。それが暑さ指数であるWBGT(湿球黒球温度)です。

WBGTは危険を教える暑さ指数

水を飲んでも体温が上昇してしまう日(状態)を教えてくれるのが、暑さ指数であるWBGTです。
WBGTは、気温や湿度、輻射熱、風などを考慮し、「暑さ指数:○℃」を示します。
日本体育協会では、WBGTが
  • 28℃を超えたとき:激しい運動を中止
  • 31℃を超えたとき:運動は原則中止
このWBGTを測定する機器はインターネットでも購入できますので、スポーツに関わる方は気温に加え暑さ指数も、サッカーを行うか否かの判断材料とすることが重要です。
まずは熱中症にかからない予防策をしましょう。

知っておこう!熱中症対策

1 こまめに水分

スポーツドリンクなどを利用して、0.1〜0.2%程度の塩分も補給する。水分補給量の目安としては、運動による体重減少が2%を超えないように補給します。
体重30kgの選手では、600gが基準になります。
運動の前後に、また毎朝起床時に体重を測る習慣を身につけ、 体調管理に役立てることが勧められます。

2 体を冷やす

身体を効率的に冷やすには、太い血管が流れているところを重点的に冷やすのが良いと言われています。 首、鼠径部、脇の下、手首、足首を氷袋やスポンジ、冷えピタなどで冷やします。

3 食べ規則正しい生活をする

睡眠時間の確保と朝食をしっかりと食べましょう。
練習をしたら、しっかりとストレッチをして、十分な休息をとりましょう。

4 サッカーの試合においては、クーリング・ブレイク、または飲水タイムを試合中にとるようにしましょう。

まとめ

十分な熱中症の知識を持ち、熱中症を予防していくことが大切です。
サッカーのコーチはもちろん、親御さんも熱中症を理解して、規則正しい生活を心がえていくことが大切です。

 

そして、トレーニングでは、WBGTを理解し、できるだけWBGTを測定し、判断することと、飲水タイムとクーリング・ブレイクをしっかりと取ることが大切な対応となります。

 

子どもは、サッカーに夢中になると熱中症に気づくことが難しく、気持ち悪い、頭痛などの症状が出て、初めて気づくことが多いです。

 

周りの大人がしっかりとサポートをし、まずは熱中症にさせない対応をしていきましょう。

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